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2006年08月30日

ヤフオクを介した「ダミー振込詐欺」にご注意

Yahoo!オークションは便利である反面、犯罪の温床であることも否めない。そのヤフオクで新しい形態の詐欺が広まりつつあるという。銀行口座名義も含めて「詐欺師の個人情報」がほとんど知られずに詐欺をはたらかれてしまう点が、新しい手口のようだ。

d20060830.png

振り込め詐欺やリフォーム詐欺でもわかるように、詐欺に引っかからないために詐欺師の手口の定石を知っておくことは、自分の身を守るうえで非常に重要なことだ。上の図での(1)~(5)の矢印を見ていただきたい。この詐欺の手口の概要はこうだ。


詐欺師は最低2つのYahoo!IDを持っている。このYahoo!IDは誰かから買うなどして入手したものと思われる。また、被害者には「出品側の被害者」と「落札側の被害者」が存在する。詐欺師はこの2人の被害者をうまく結びつけることで、一銭も支払わずに出品されている商品をかっさらうことができる。

矢印(1) 詐欺師は、欲しい商品に狙いを定める。狙われるのは、商品券、プリペイドカード、パソコン、高級デジカメのような換金性の高い商品が多い。狙いが定まったら、「Yahoo!IDその1」でその商品に入札してこれを落札する。
矢印(2) 何も知らない出品側の被害者のAさんは、詐欺師に「商品をお送りしますので、商品の送付先を連絡下さい。代金の○○円は、□□銀行△△支店の口座番号1234567の口座に振り込んでください」とメールを送る。
矢印(3) 詐欺師はこの口座に自分ではお金を振り込まずに、別の「Yahoo!IDその2」で同額の商品を送料込み即決で出品して、落札側の被害者に落札させる。落札者であるBさんが現れたら、Aさんに成りすましてBさんに「代金は□□銀行△△支店の口座番号1234567に振り込んでください」とメールを送る。
矢印(4) 何も知らないBさんは指定された口座に商品の代金を振込み、詐欺師から商品が届くのを待つ。一方で、詐欺師はその振り込みが完了した頃合いを見計らって、Aさんに「Bという名義から振り込んでおいたので、商品を送って下さい」と連絡を入れておく。
矢印(5) Aさんは、Bさんからの振込みを詐欺師からの振込みと信じ込んで、詐欺師に指定された住所に商品を送る。詐欺師は、この時の商品の送付先から自分の身元がバレないように、受け取りを「郵便局留め」「民間私書箱」などにするなどの工夫をしている。

Aさんは詐欺師からお金を払って貰っていないのに誤って商品を送ってしまうし、Bさんは代金を振り込んだつもりになっているのに商品が届かない。そして、詐欺師は自分の銀行口座も知られず、商品だけをだまし取ることができる。商品が届かないことを怪しんだBさんが警察に被害届を出したとしても、その被害届にはAさんの銀行口座が記されているので、警察からのお尋ねは詐欺師に行かずにAさんのほうに行ってしまう。怖いのはこの点であって、Aさんは被害者の一人であるにもかかわらず、銀行口座を悪用されたためにいつのまにか濡れ衣を着せられ、犯罪者に仕立て上げられてしまっているのだ。


このタイプの犯罪で、Bさんが「これは怪しい」と感付くのはほぼ不可能に近い。ここまでの取引で、通常のヤフオク取引との違いはほとんどないからだ。この取引の犯罪性に気が付くかどうかはAさんにかかっている。商品発送先の氏名と代金振込人名義が異なる、商品の発送先が郵便局留めや民間私書箱になっている、そういう怪しいポイントに気が付いて商品の発送を一旦延期し、銀行に問い合わせるなどの自衛策を講じなければ、この罠から逃れることはできない。

Yahoo!オークションで行われている詐欺の手口は巧妙化する一方だ。もちろん、被害者の側も警戒するようにはなってきているものの、ネットの匿名性などを悪用したこれらの犯罪は減少するどころかむしろ増加すらしている。詐欺が行われる手口を知っておくことで自分の身を守り、怪しいと思ったら代金の振り込みや商品の発送をする前に、もう一度連絡を取ってみる、銀行に電話して振込人照会をする、警察に相談する、商品の発送は局留めや民間私書箱の場合は注意してみて、怪しいようなら520円のコストが生じるが受け取りに身分証明書が必要な「本人限定受取郵便」で発送するなど、予防策を講じるに越したことはない。出品時に商品説明欄に「トラブル回避のため、郵便局留め・民間私書箱への発送は致しません」と書いておくだけでもかなり効果はありそうだ。

代金を振り込んだのに商品が届かないという典型的なヤフオク詐欺に引っかかるのも怖いが、自分の銀行口座が知らない間に悪用されて犯罪者に仕立て上げられてしまうAさんの立場に陥るのも恐ろしいことだ。多くの被害者が生まれる前に、詐欺師の手の内をできるだけ知っておくことで、ヤフオクで新たな被害者が生まれることを防ぎたい。

Posted at 2006/08/30(水曜日)10:46

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