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2008年10月24日

P2P金融maneoの手数料って結構高い。実質金利を計算してみるテスト

P2P金融のソーシャルレンディングmaneoが華々しく登場して、貸し手になって銀行預金より良い利回りでの資産運用を考える人の興味も集めている。ところが、maneoを利用するに当たってのmaneoに収める手数料が意外に高い。高すぎて、実質金利が驚くほど「残念な数字」になってしまっているようだ。それを計算してみるテスト。

標準的と思われるプランで試しに計算してみた

まずは記念すべきmaneoオークション第1号となった新婚旅行費用を借りたい人の例。金利6.5%で300,000円を6ヶ月間借りたいそうだ。これを標準的プランとして、計算をしてみよう。これをローンシュミレーターで計算してみると、貸し手への返済額300,000円に金利5,713円(借り手が払うのはmaneoへの金利も合わせて7,039円)が加わる。実際には31日の月や28日の月があるほか、借入日と返済日がちょうど1ヶ月ごとではないのでズレが生じるが、これは計算の簡略化のために無視する。

しかし貸し手は貸し始めにmaneoに1.5%の手数料を取られている(4,500円)。さらに印紙税(10~100万円では400円)、所得税(収益の20%)、振込手数料(往復最大1,260円)も取られる。振込手数料は他の融資と合わせて入出金することで節約できるほか、maneoへの振込には住信SBIネット銀行のように振込手数料を節約できる銀行を利用することで抑えることが出来る。しかし、実際の手元に残る金額は300,000円を6ヶ月間貸与して最大1,213円、最低ではマイナス447円ということになってしまう。ちなみに、300,000円を6ヶ月の元利均等返済で貸したとして1,213円の金利収入しかなければ、これは年利としては1.39%となる。

一方でmaneoの取り分は貸出時の手数料1.5%に加えて返済額の年利1.5%に相当する額を取るので、肝心の出資者である貸し手よりも取り分が多い。借り手が払う金利(7,039円)から貸し手が受け取る配当(最大1,213円)と印紙税(400円)を除いた金額は5,426円。これは元利均等返済6ヶ月で利回り6.18%に相当する。

maneoは貸し手から借り手への資金の移動時に1.5%の金額を受け取るだけという「善良な仲介役」の顔をしているが、出資者である貸し手が年利回り1.39%で貸し倒れリスクも全額負うのに対して、仲介役は年利回り6.18%で元本割れリスクはないのだから、これはmaneoにとっておいしい商売だ。

融資期間が短い、または低利での貸し出しであるときはもっと悲惨

まずは高利・短期間の場合。
貸し手から借り手への融資の時に取られる手数料1.5%は融資期間にかかわらず一定なので、短期融資であればあるほど、また低利での融資であればあるほど貸し手の取り分比率は下がる。ザッと計算してみたところ、「3ヶ月300,000円を貸し手金利10%(maneo金利11.5%)」で貸したとしても貸し手の手元に残るのは114円に対してmaneoの取り分は5,254円。借り手は11.5%もの金利を支払うのに、そのうちの大半がピンハネされて、貸し手の実質年利回りは0.2%台にまで落ち込む。これより低い金利の場合は、もちろん貸し手の赤字である。なんという暴虐!

次に低利・長期間の場合。
30万円をmaneo金利5.0%で貸し出すなら24ヶ月程度の長期で貸し出さないと割に合わない。12ヶ月程度の期間ではこの金利ではいわゆる「手数料負け」に陥る。しかし、「300,000円を5.0%で24ヶ月」でも借り手の支払い金利15,874円のうち、貸し手の受取は「6,560円マイナス(各種税金+往復振込手数料)」なので実質年利回りは1.8%程度となり、残りは全てmaneoの取り分となる。つまり半分以上はmaneoが取ることになる。しかも貸し倒れリスクは貸し手が負担!

maneoのビジネスモデル、maneoの取り分は1.5%と思わせておいてよくよく計算すると半分以上はmaneoが取るように出来ているのである。maneoにとってうまみが大きいポイントは、貸し出し時のmaneoに払う1.5%の手数料。貸出期間にかかわらず貸し出し当初の元本に対して1.5%一律なので、短期の貸し出しでは年利回りにすると1.5%が何倍にも膨れあがるのだ。恐ろしい。

貸し倒れ率(一説では消費者金融で5~7%、銀行ローンで2%程度)までも考慮すると、maneoでの資産運用が銀行預金よりも高利回りなのかどうか怪しいところだ。よくよく吟味して足を踏み入れなければ、罠にハマる。

【まとめ】
まとめるとこうなる。金利収益の大部分が貸し手の収益になるように思いがちだが、厳密に計算してみると貸し手の利益は見かけよりずっと少なく、標準的プラン(貸し手金利6.5%で300,000円を6ヶ月間借入)では元の借り手金利が8.0%もあるのに貸し手の運用利回りは1.39%にしかならない。融資が短期間であったり低利であればますますmaneoに有利な手数料体系となる。しかも貸し倒れリスクを一方的に負うのは貸し手である。
※計算は間違えているかもしれません、間違えていたらご連絡下さい。

Posted at 2008/10/24(金曜日) 7:19

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