2008年04月23日
Thinkpad X40にCFを用いた疑似SSDを導入
先週の記事(→参照)に書いたとおり、Thinkpad X40の1.8inch HDDがあまりにも遅くて使い物にならないので、コンパクトフラッシュを用いた疑似SSD化をついに実行に移した。
用いたハードウェアは下記の通り。
▼Transcend コンパクトフラッシュカード(8GB・266倍速)TS8GCF266:12200円
▼CF→1.8/2.5inch IDE変換カード PA-CF18H-EF(バルク):2480円
当初の予定では8GBのCFでは容量が足りなかろうと思い、32GBのCFを用いて計画を実行に移そうかと考えていたが、どうやらTranscendの場合は8GBまではSLCで高速な動作が期待できるものの16GB以上となるとMLCとなり動作速度・耐久性が共に大幅に下がってしまうようなので、動作実績があちこちのブログで報告されているTS8GCF266を用いることにしたのだ。
8GBという容量はWindows Vistaを導入するにはVliteなどを用いて徹底的にWindowsのサービスやコンポーネントを削除せねば容量不足になってしまうようだが、Windows XPならはビジネス用途であれば特に問題なく8GBで活用できるようだ。実際のデータやファイル類はシステムとして内部に組み込む必要も特になく、外付けHDDやUSB記憶デバイスなどを活用して切り抜けられるだろう。Thinkpad X40はSDカードスロットも内蔵しているので、これもうまく活用したい。
ちなみに、今この記事を書き込んでいるのはCFにて疑似SSD化したThinkpad X40である。ハードウェア構成は、Pentium M 1.0GHz、搭載メモリは初期256MB+増設1GBで計1.25GB、それに無線LANアンテナを内蔵。導入したWindows XPは正規版SP2統合ディスクで、nLite等によるコンポーネントの削減は特に実施していない(インストールCD-ROMを、USBで接続した外付けCD-ROMドライブから普通にインストールした)。現時点で導入可能なWindows UpdateとThinkpad X40 ドライバを一通り適用し、Firefox 2.0.0.14、Office 2003(Word, Excel, Powerpoint)、Adobe Photoshop Elements 2.0、Adobe Reader 8をインストールした。さらにRamPhantom2でRAMディスクを256MB設け、ブラウザ(Firefox等)のキャッシュはRAMディスクに置くようにした。WindowsのTEMPフォルダの位置は初期設定のままである。現在のディスクの使用状況はこの通り。4.36GBを使用しており空き容量は3.22GB、実使用には特に問題のないレベルだ。
このCFでCrystalDiskMark 2.1を試してみたところ下記のようになった。
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CrystalDiskMark 2.1 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : https://crystalmark.info/
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Sequential Read : 42.227 MB/s
Sequential Write : 31.152 MB/s
Random Read 512KB : 41.439 MB/s
Random Write 512KB : 13.142 MB/s
Random Read 4KB : 12.084 MB/s
Random Write 4KB : 0.166 MB/s
Test Size : 50 MB
Date : 2008/04/23 7:31:50
従来のThinkpad X40内蔵 1.8inch HDDでは下記の通り。
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CrystalDiskMark 2.1 (C) 2007-2008 hiyohiyo
Crystal Dew World : https://crystalmark.info/
--------------------------------------------------
Sequential Read : 18.081 MB/s
Sequential Write : 16.142 MB/s
Random Read 512KB : 12.269 MB/s
Random Write 512KB : 12.058 MB/s
Random Read 4KB : 0.265 MB/s
Random Write 4KB : 0.510 MB/s
Test Size : 50 MB
Date : 2008/04/15 9:40:43
確かに、若干の改善は見られる。実際に使用してみた感覚としては、全体として従来のHDDよりかなり速い。CrystalDiskMark 2.1の数字以上に、各アプリの立ち上げなどでその身軽さを実感できる。またWindows XPの起動は電源ボタンを押してからログオンパスワードの入力画面までが約19~20秒で、これまで1分以上かかっていたのに比べるとずいぶんと速い。Windows XPの最初のロゴ画面で青色のバーが2~3周するまでに画面が切り替わるので、デスクトップ向け3.5inch HDDと比べてもまだ速いか。Firefoxでのブラウジング時に時々引っかかるような感じ(いわゆる、もっさり)があるものは原因不明、Firefox側かTab Mix Plusアドオンの問題か?。
かかった資金は2万円程度だが、効果は大いにあった。CFの耐久性を疑問視する声は小さくなく、仕事で使うファイルはThinkpad X40以外のところにもバックアップをとっておくことが望ましいと思われるが、それを考えても大いに価値のある改造だった。
ちなみに、このWindows XPの導入前にWindows 2000 SP4のインストールも試してみた。使用した記憶容量は3.5GB程度だったほかは特に違いはなく、通常通り起動できた。USB外付け記憶容量の「書込キャッシュ無効」がオフにできないバグがWindows 2000に無ければ、Windows XPにする必要もなかったのだが、仕事の関係でWindows XPをインストールしてしまったのだ。
【まとめ】
まとめると以下のようになる。
Thinkpad X40のHDDの高速化のためにCFを用いて疑似SSD化を行う。今回はTS8GCF266(Transcend製266倍8GB)とPA-CF18H-EF(HGST 1.8inch→CF アダプタ)を用いた。2008年4月現在発売されているTranscend製133倍を含む16GB以上のCFのほとんどはMLCタイプで低速・低耐久の地雷なので、2chやブログなどの先達の情報を頼りにしてSLCタイプのCFを探すこと(TS8GCF266は大容量SLC-CFの代表格)。Windows XPやWindows 2000ならnLiteなどで削らなくても普通にインストールすればOfficeなどを含めても3~4GB程度までの容量に納まる。この疑似SSD化によりベンチマーク上は2倍以上のディスクアクセス速度を得ることができ、Thinkpad X40ライフが多少なりとも快適になる。
【追記】(2008年10月18日)SLCタイプで300倍速16GBのTS16GCF300が2008年5月に発売され、上記に示したSLC 266倍速8GBのTS8GCF266よりもハイスペックな状態でのThinkpad X40疑似SSD化が可能になった。また容量が16GBとなったことでWindows XPだけでなくWindows Vistaも通常通りインストールできるだけの容量が確保されたことになるが、Thinkpad X40のグラフィック性能は十分ではないので仮にWindows Vistaを導入してもAero画面効果を使うことはできない。またメモリも最大限増設したとしても1.25GBまでとなっており、(Windows Vistaを動作させるには十分であるが)個人的にはThinkpad X40はWindows 2000/XPで使うのが良いのではないかと思う。
【さらに追記】(2008年12月21日)
Transcendの300倍速CFは地雷かもしれない説があるらしい。詳しくは、Transcendの300倍速CFカードは地雷なのかどうかを考えてみたを参照してください。
Posted at 2008/04/23(水曜日) 8:02
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